MLBシーズン最多安打ランキング — イチローの262安打が歴代トップ

安打とは、打者がフェアゾーンにボールを打ち、守備側のミスなく一塁以上に安全に到達することを指す。単打、二塁打、三塁打、本塁打のすべてが安打に含まれ、打率などの主要打撃指標に直結する。

MLBのシーズン最多安打記録保持者はイチローで、2004年に262本の安打を放ち歴代1位となった。これは84年間破られなかったジョージ・シスラーの257安打の記録を更新したものであり、イチローの卓越したコンタクト能力と安定した打撃力を示している。さらにイチローは2001年（242安打）、2007年（238安打）にもランクインしており、現代野球において特異な存在である。

ランキング上位には1920〜30年代に活躍した伝説的な選手が多数含まれている。ジョージ・シスラー、アル・シモンズ、ビル・テリー、レフティ・オドール、チャック・クラインといった名前が並び、当時の打撃重視の野球スタイルを反映している。この時代は今と比べて守備シフトや投手分業が存在せず、高打率の打者が多かった。

近年においてこのランキングに入ることは非常に困難である。イチロー以外では、ダリン・アースタッド（2000年、240安打）、ウェイド・ボッグス（1985年、240安打）、カービー・パケット（1988年、234安打）など、ごく少数の選手のみが登場している。現代野球では投手力の向上や守備シフトの発達により、安打を量産するのがますます難しくなっている。

また、イチローはこのランキングにおいて唯一の日本人選手であり、その活躍はMLBの国際化の象徴ともいえる。ロッド・カルー（パナマ出身）など、アメリカ以外の選手の名前も見られ、MLBが世界中の才能を受け入れていることがわかる。

このランキングは単なる記録の一覧ではなく、野球というスポーツが時代とともにどのように変化してきたかを読み解く手がかりとなる。選手個々の偉業を讃えると同時に、それぞれの時代背景を反映するデータとして価値がある。