世界の乗用車累積生産台数ランキング：中国が圧倒的1位、日本・ドイツが続く

重要ポイント

グローバル生産の中心地の変遷

• 世界の乗用車累積生産において、過去数十年で主要生産国の顔ぶれが大きく変化している。
• 特に中国の台頭は顕著であり、圧倒的な生産能力で他国を凌駕する存在となっている。
• 伝統的な自動車大国である日本やドイツも依然として高い生産実績を誇り、技術力とブランド力を背景に世界の市場で重要な役割を担っている。

アジア諸国の成長と影響

• 日本と韓国は、長年にわたり世界の自動車生産において主要な地位を維持してきた。
• インドは近年、生産台数を着実に伸ばし、世界の自動車生産地図における存在感を増している。
• これらのアジア諸国の成長は、自動車産業のグローバルな重心が東方にシフトしていることを示している。

上位ランキング

1位 中国 3億5610万台

中国は、国内の巨大な自動車市場と政府の強力な産業振興策により、世界の乗用車生産を牽引する存在となった。特に2010年代以降、その生産能力は飛躍的に拡大し、圧倒的な累積生産台数を誇るに至った。積極的な外国からの技術導入と、国内ブランドの育成、そして新エネルギー車（NEV）への早期かつ大規模な投資が、この成長を後押ししている。多様な価格帯とモデルの車両が生産され、国内だけでなくグローバル市場への輸出も急速に拡大している状況である。

2位 日本 2億1218万台

日本は、長年にわたり世界の自動車産業をリードしてきた国であり、高品質で信頼性の高い車両を生産することで国際的な評価を確立している。トヨタ、ホンダ、日産といった世界的なブランドを擁し、革新的な技術と効率的な生産体制は、世界の自動車製造業におけるベンチマークとされてきた。特に燃費効率の高いハイブリッド車や、高品質な部品供給は、世界中で高い評価を得ており、自動車産業は日本の経済にとって基幹産業の一つであり続けている。

3位 ドイツ 1億3116万台

ドイツは欧州最大の自動車生産国であり、メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディといった世界的に有名な高級ブランドを多数擁している。精密なエンジニアリングと優れたデザイン、高い走行性能を追求した車両開発は、世界のプレミアムカー市場で圧倒的な存在感を示している。技術革新と研究開発への投資は、ドイツの自動車産業の強みであり、環境規制への対応や電動化技術の開発にも積極的に取り組んでいる。

4位 アメリカ 9170万台

アメリカは、国内の巨大な自動車市場と、特にピックアップトラックやSUVといった大型車の生産に強みを持つ国である。ゼネラルモーターズ（GM）、フォードといった伝統的なメーカーは、長年にわたり国内需要に応える形で生産活動を行ってきた。近年では、電気自動車（EV）メーカーのテスラが台頭し、自動車産業のイノベーションを牽引している。広大な国土を持つアメリカでは、特に実用性と快適性を兼ね備えた車両が人気を集めている。

5位 韓国 9023万台

韓国は、現代自動車や起亜自動車といったグローバルブランドを擁し、短期間で世界の主要自動車生産国の一つへと成長した。コスト競争力と品質の向上が強みであり、特に魅力的なデザインと先進技術の融合により、国内外で高い評価を得ている。アジアや新興市場における需要を巧みに取り込みながら、グローバルな販売ネットワークを確立した。近年は、環境対応車や高機能車の開発にも注力し、競争力を一層強化している。