世界の移動通信加入者数ランキング:人口100人当たり最多は香港

このチャートは、人口100人当たりの移動通信サービスの加入者数に基づいた国・地域別のランキングを示している。香港が292人で1位を記録し、人口を大幅に上回る加入者数を保有していることがわかる。アラブ首長国連邦(UAE)やリビアなども200人を超える高い数値を示しており、世界的にモバイル通信が飽和状態にあることを示唆している。日本は168人で17位に位置し、同様に高い普及率を持つ国の一つであることが確認できる。

世界の携帯電話普及率ランキング
世界の国別、人口100人当たりの携帯電話契約数ランキング。香港が292件で1位を記録し、続いてアラブ首長国連邦(212件)、リビア(205件)の順となっています。

「移動通信加入者数」とは、携帯電話やスマートフォン、タブレット、IoT機器など、移動通信網に接続されている契約回線の総数を指す。人口100人当たりの数値で示すことで、その国や地域におけるモバイル通信の普及度を測る指標として用いられる。この数値が100を超える場合、一人で複数のデバイスやSIMカードを所有していることを意味する。

移動通信市場の新たな局面

世界の多くの国や地域で、人口100人当たりの移動通信加入者数が100を超える現象が一般化している。これは、単に一人一台の携帯電話を所有する時代から、一人で複数のSIMカードを使い分ける時代へと移行したことを示している。個人用のスマートフォンに加え、業務用端末の支給、タブレット端末でのデータ通信契約、さらにはIoT(モノのインターネット)機器に搭載されるM2M(Machine-to-Machine)SIMの普及が、この数値を押し上げる主な要因である。特に、通信プランの多様化により、データ通信専用SIMや通話専用SIMなど、用途に応じて複数の契約を保持するライフスタイルが定着しつつある。この傾向は、個人の利便性向上だけでなく、社会全体のデジタル化を加速させる原動力となっている。

経済特区と観光がもたらす高い普及率

ランキング上位には、香港、UAE、マカオといった国際的なビジネスハブや観光都市が名を連ねている。これらの地域では、居住者に加えて、多数の駐在員、ビジネス旅行者、観光客が短期的に通信サービスを利用するため、加入者数が人口を大きく上回る傾向が強い。例えば、香港は国際金融センターとして世界中からビジネスパーソンが集まり、彼らが現地のSIMカードを利用することが一般的である。また、UAEのドバイなども同様に、世界有数の観光地および乗り継ぎ拠点として、流動人口が非常に多い。このような地域特性が、国内の通信需要を押し上げ、結果として極めて高い加入者率につながっている。

先進国と発展途上国の通信環境

このデータは、先進国と発展途上国の間の通信インフラの状況も浮き彫りにする。日本(17位)、シンガポール(26位)、韓国(32位)などの先進国は、いずれも100を大きく超える高い普及率を維持しており、成熟した安定的な市場を形成している。これらの国々では、高速通信網(5Gなど)の整備が進み、質の高いサービスが提供されている。一方で、リストの下位に位置する国々、特にアフリカや一部アジアの国々では、加入者数が人口を下回っており、依然としてデジタルデバイド(情報格差)が存在することを示している。ただし、近年では発展途上国においてもモバイル通信の普及が急速に進んでおり、経済成長とともにこの格差は縮小していくと予想される。

今後の展望と社会への影響

今後、5G通信の本格的な展開とIoT技術のさらなる進化により、移動通信の役割は一層重要性を増すだろう。スマートシティの構築、自動運転車の実現、遠隔医療の普及など、社会のあらゆる場面で膨大な数のデバイスがネットワークに接続されることになる。これにより、一人当たりの通信契約数はさらに増加する可能性がある。このような超接続社会は、新たなビジネスチャンスや生活の利便性向上をもたらす一方で、サイバーセキュリティの確保やプライバシー保護といった課題も深刻化させる。各国政府や企業は、技術の恩恵を最大化しつつ、そのリスクを管理するための新たな枠組みを構築していく必要がある。

世界の移動通信加入者数ランキング

このチャートは、人口100人当たりの移動通信サービスの加入者数に基づいた国・地域別のランキングを示している。

Change Chart

    重要ポイント

    飽和状態を超えるモバイル市場

    • 世界の多くの国で、人口100人当たりの移動通信加入者数が100を超えている。
    • この現象は、個人が業務用と私用で複数のSIMを使い分けたり、タブレットやIoT機器など多様なデバイスで通信契約を結んだりすることが一般的になったために起こる。
    • 特に香港やUAEのようなビジネス・観光ハブでは、流動人口の多さも相まって加入者数が人口を大幅に上回る。

    経済発展と通信インフラの関係

    • モバイル通信の普及率は、国の経済状況と密接に関連している。
    • ランキング上位の国々は、経済的に豊かであったり、国際的な交流が盛んであったりする傾向がある。
    • 一方で、ランキング下位の国々では、通信インフラの整備が遅れており、デジタルデバイドが存在することを示唆している。

    日本の通信環境

    • 日本は人口100人当たり168加入で17位に位置し、世界的に見ても非常に高いモバイル普及率を誇る。
    • これは、国内の通信インフラが高度に整備され、国民の多くがスマートフォンなどの通信機器を日常的に利用していることを示している。
    • 上位の国々ほど極端な数値ではないものの、市場が成熟し、安定した高い普及率を維持している先進国の一つであることがわかる。

    上位ランキング

    1位 香港 292人

    香港が人口100人当たり292加入という驚異的な数値で1位となった。これは、香港が国際的な金融・ビジネスの中心地であることが大きく影響している。多くのビジネスパーソンや観光客が短期滞在中に現地のSIMカードを利用することに加え、住民自身も仕事用と個人用で複数のSIMを使い分けることが一般的である。また、中国本土との往来が多いため、両地域で利用可能なデュアルSIMの需要も高い。このような要因が複合的に作用し、人口をはるかに超える加入者数を記録している。

    2位 UAE 212人

    アラブ首長国連邦(UAE)は、ドバイやアブダビといった世界的な商業・観光都市を擁し、高いモバイル加入者数を誇る。駐在員や出稼ぎ労働者が人口の大部分を占めるという特殊な人口構成も、この数値を押し上げる一因である。彼らは母国との連絡や国内での生活のために個別に通信契約を結ぶことが多い。さらに、富裕層が多く、最新のデジタル機器を複数所有する傾向も強い。観光客の多さも相まって、国内の通信需要は常に高い水準にある。

    3位 リビア 205人

    リビアが上位にランクインしている背景には、国内の政治・経済状況が関係している可能性がある。過去の紛争の影響で固定通信網が不安定なため、多くの国民が信頼性の高いモバイル通信に依存している。また、複数の通信事業者間で競争が激しく、安価なプリペイドSIMが広く流通しているため、一人で複数のSIMを所有しやすい環境にある。これにより、実際の利用者数以上に契約回線数が多くなっていると考えられる。

    4位 モンテネグロ 203人

    バルカン半島に位置するモンテネグロは、風光明媚な観光地として人気が高まっている。夏季を中心にヨーロッパから多くの観光客が訪れ、彼らが現地のプリペイドSIMを利用することが加入者数を押し上げる大きな要因となっている。国内の通信事業者も観光客向けの短期プランを積極的に提供しており、これが高い普及率につながっている。また、周辺国との往来も多く、国境を越えて活動する人々による複数SIMの利用も一因と考えられる。

    5位 アンティグア・バーブーダ 197人

    カリブ海に浮かぶアンティグア・バーブーダは、観光業が主要産業の国である。豪華なリゾート地やクルーズ船の寄港地として知られ、人口を大幅に上回る数の観光客が毎年訪れる。これらの観光客が滞在中にデータ通信や通話のために現地のSIMを利用することが、高いモバイル加入者率の主な理由である。小規模な島国であるため、観光客による通信需要が全体の統計に与える影響が非常に大きくなっている。

    17位 日本 168人

    日本は人口100人当たり168加入で17位にランクインした。これは、国内の通信インフラが高度に発達し、ほとんどの国民がスマートフォンを所有していることを示している。多くの人が個人用と会社用の携帯電話を別に持っていたり、タブレットやモバイルWi-Fiルーターなど複数のデータ通信契約を結んでいたりすることが、100を超える数値の背景にある。世界トップクラスではないものの、非常に成熟し、安定したモバイル市場を持つ国であることがわかる。

    順位名前指標詳細指標
    第1位
    香港
    292人
    合計 - 23,800,000
    第2位
    UAE
    212人
    合計 - 21,200,000
    第3位
    リビア
    205人
    合計 - 13,900,000
    第4位
    モンテネグロ
    203人
    合計 - 1,310,000
    第5位
    アンティグア・バーブーダ
    197人
    合計 - 184,000
    第6位
    仏領サン・マルタン
    196人
    合計 - 68,840
    第6位
    シント・マールテン (オランダ領)
    196人
    合計 - 68,840
    第8位
    セーシェル
    192人
    合計 - 165,000
    第9位
    エルサルバドル
    182人
    合計 - 11,500,000
    第10位
    クウェート
    181人
    合計 - 8,109,999
    第11位
    タイ
    176人
    合計 - 121,000,000
    第12位
    マカオ
    175人
    合計 - 1,370,000
    第13位
    コートジボワール
    174人
    合計 - 53,600,000
    第13位
    カタール
    174人
    合計 - 4,700,000
    第15位
    アンギラ
    170人
    合計 - 26,000
    第16位
    ロシア
    169人
    合計 - 245,000,000
    第17位
    日本
    168人
    合計 - 219,000,000
    第18位
    南アフリカ
    167人
    合計 - 108,000,000
    第19位
    ボツワナ
    165人
    合計 - 4,440,000
    第19位
    イラン
    165人
    合計 - 151,000,000